⑥7 西山神社(にしやまじんじゃ)


西山神社(にしやまじんじゃ)

  生見の西山神社は、通称西ノ宮、西宮神社とも呼ばれ、江戸時代の記録には清座神社とある。祭神は女神様と言われ、女人禁制であった。もし女の人が境内に入ると、楠木がふるえだし、天にまきあげられると言われている。むかしこの神社は海に向いて建っていた。ところが沖を通る船が生見沖で急に止まってしまう。それで、神社を西向きにかえて海が見えないようにしたら、沖の船が止まることもなくなったそうな。

  この神社には、もともと13本の楠木があった。明治21年に、当時の総代の提案でこの神木を売ることにした。1本だけ残して12本を切り倒し、大阪の材木問屋に当時の三千円という大金で売ることが決まった。ところが、甲浦村長が、この楠は村有林であると主張し、生見の神社側と裁判になった。明治28年12月、高知地方裁判所で村有林として結審し、村議会において、あらためて正式伐採と売却が許可された。ところが売却代金のほとんどは、8年間におよぶ裁判費用で使い果たしていた。現在、境内にある楠木は、このときに切り残した一番小さい木であるが、それでも、目通り周囲が6m半、根元周囲12m、樹高40mの堂々たるものだ。

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